タカのメモ

主に技術的なメモ

Ubuntu 20.04 LTS をUSBメモリにインストールする

今回はUSBメモリUbuntu 20.04 LTSをインストールする方法を紹介します。

1.概要

1.1.Ubuntu 20.04 LTS

Ubuntu 20.04 LTS (コードネーム:Focal Fossa)が2020年4月23日(日本時間:4月24日)にリリースされました。
2年に1度にリリースされる待望の長期サポート版(2025年4月までの5年間)です。
早速、インストールを試してみましたので紹介します。

1.2.USBメモリLinuxをインストールする

Windows環境を使える状態のままでLinux環境を使ってみたい」という要望は多いと思います。

Windows環境を残したままLinux環境を構築する方法の一つに、USBメモリLinuxをインストールする方法があります。
使用しているPCのBIOSUSBメモリからのブートに対応していれば、USBメモリにOSをインストールし、USBメモリからOSをブートすることができます。
この方法を利用すれば、同じPCを使用しながらWindows環境に手を加えることなく、Linux環境を構築することが可能になります。

ただし、誤った操作をするとWindows環境が消えてしまうリスクもあります。
インストールには十分に注意が必要です。
※実施する際は自己責任でお願いします。

今回は実際インストールした際に感じたポイントを踏まえて、インストール方法を紹介したいと思います。

2.事前準備

 2.1.ISOイメージのダウンロード

Ubuntu 20.04 LTSのインストール用ISOイメージファイル(ubuntu-20.04-desktop-amd64.iso)を、以下のミラーサイトよりダウンロードします。 

・日本の公式ミラー

http://jp.releases.ubuntu.com/focal/

 2.2.USBメモリの準備

今回は「ISOイメージを書き込むUSBメモリ」と「LinuxをインストールするUSBメモリ」の2個を用意します。

容量としては、「ISOイメージを書き込むUSBメモリ」はISOイメージファイル(約2.5G)が書き込めればよいので4GBもあれば十分です。
LinuxをインストールするUSBメモリ」は、8GB程でインストール可能ですが、本格的な利用には最低でも16GBは欲しいです。 

USBメモリを選ぶ際に気をつけなければならないのは、「LinuxをインストールするUSBメモリ」の速度です。

読み書き速度が遅いとインストールに時間がかかったり、起動に時間がかかったりします。実際に速度の遅いUSBメモリ(USB3.0)にインストールしましたが起動だけで40分程かかり、とても実用に耐えられませんでした。

今回はサンディスクの下記のUSBメモリを使用しました。

 2.3.インストール用のUSBメモリを作成

事前にUSBメモリ書き込みソフト等を使用してダウンロードしたISOイメージを「ISOイメージを書き込むUSBメモリ」に書き込み「インストール用LiveUSB」を作成する必要があります。

今回はwindows環境からrufusを使用して書き込みました。

3.インストール手順

3.1.BIOS設定の変更とインストール用LiveUSBからのブート

PCの電源を投入し、USBメモリからブートするようにBIOSの設定を変更後、インストール用LiveUSBからPCをブートします。
BIOSの設定方法はPCの機種毎に異なるので、マニュアル等を確認して実施してください。 

今回使用したPC(NEC LaVie LL750/H)では、下記の方法でインストール用LiveUSBからブートしました。

1.PCの電源を投入後、「F2」キーを押下してBIOS設定画面を表示します。

2.BIOS設定画面で「起動」タブに移動し、「起動順位の設定」で「USB Memory」の起動順を最優先にします。

3.事前準備で作成した「インストール用LiveUSB」をPCのUSBポートに挿します。

4.「F10(Save and Exit)」を押下し、設定変更を保存してPCを再起動します。

5.再起動後、「インストール用LiveUSB」からブートが開始されます。

3.2.Ubuntu(試用版)の起動

今回の手順ではUbuntu(試用版)を起動した状態からインストールを開始します。

1.「インストール用LiveUSB」からブートし、「Welcome(ようこそ)」画面で「日本語」を選択します。

2.「Welcome(ようこそ)」画面で「Ubuntuを試す」をクリックし、Ubuntu(試用版)を起動します。

3.3.ネットワーク設定

Ubuntu(試用版)のネットワークの接続設定(今回はWifi環境設定)をします。

1.Ubuntu(試用版)の画面右上にある「▼」-「Wi-Fi Not Connected」-「Select Network」を選択します。

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2.「Wi-Fi Networks Select a network」画面で使用するWi-Fiを選択し、「Connect」をクリックします。

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3.「Authentication required」画面でパスワードを入力し、「Connect」をクリックします。

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4.画面右上に扇マーク(Wi-Fi)が表示されれば通信ができます。

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3.4.画面コピーの取得方法の確認

「PrintScreen」キーで画面全体を、「PrintScreen」+「Alt」キーでアクティブ画面の画面コピーを取得することが可能です。
インストール時の設定を記録するために画面コピーを保存することをお勧めします。

3.5.USBメモリのデバイス名の確認

インストールを実行する前に「LinuxをインストールするUSBメモリ」をUSBポートに挿し、デバイス名を確認します。

1.「Ctrl」+「Alt」+「T」キーでターミナルを起動します。

2.下記のコマンドを実行し、現在認識しているデバイスを表示します。

$ sudo fdisk -l

3.「LinuxをインストールするUSBメモリ」をUSBポートに挿し、自動マウントすることを確認します。

4.再度下記のコマンドを実行し、USBメモリがマウントされた前後の違いで追加されたデバイス名(USBメモリのデバイス名)を確認します。

$ sudo fdisk -l

 

3.6.USBメモリへのインストール

1.Ubuntu(試用版)の画面から「Ubuntu 20.04 LTSのインストール」をダブルクリックします。

2.「ようこそ」画面で「日本語」を選択し、「続ける」をクリックします。

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3.「キーボードレイアウト」画面で「Japanese」を選択し、「続ける」をクリックします。

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4.「アップデートと他のソフトウェア」画面では、特にこだわりがなければ下記を選択し、「続ける」をクリックします。
・通常のインストール
Ubuntuのインストール中にアップデートをダウンロードする
・グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする

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※インストールしたUSBメモリを別のPCでも使用することを想定しているのであれば、「グラフィックスとWi-Fiハードウェアと追加のメディアフォーマットのサードパーティ製ソフトウェアをインストールする」をチェックしない方が良いかもしれません。
チェックをするとハード固有のソフトウェアがインストールされる可能性があるため、別のPCで使用する際にエラーが出力する可能性があります。

5.USBメモリとハードディスクをアンマウントする旨のメッセージが表示されるので「はい」をクリックします。

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6.【重要】USBメモリにインストールする場合、「インストールの種類(#1)」画面で「それ以外」を選択します。
「ディスクを削除してUbuntuをインストール」を選択するとPCのハードディスクがフォーマットされてしまいます。

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7.インストール画面がはみ出した際の注意点
以降の画面では、インストール画面がディスプレイからはみ出している可能性が高いです。
そのままでは下部の設定やボタンがクリックができません。
回避策として、「Windows」キーを押しながら画面をドラッグすると移動します。
画面を適宜移動しながら設定しましょう。

 

 8.【重要】USBメモリにインストールする場合、「インストールの種類(#2)」画面で、Linuxをインストールする領域とブートローダをインストールする領域を選択します。

ここで誤った領域を選択すると、ハードディスクがフォーマットされたり、ハードディスクのブートローダが上書きされたりしてしまいます。
注意が必要な部部なので、詳細な手順を紹介します。

ⅰ)「3.5.USBメモリのデバイス名を確認する」で事前に確認したデバイス名(例./dev/sdc)がUSBメモリになります。また、デバイス名+数字(例./dev/sdc1)の部分がUSBメモリパーティションになります。
よって、Linuxのインストール先としてUSBメモリパーティション(例./dev/sdc1)を選択し、「変更」をクリックします。

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ⅱ)「パーティションを編集」画面で下記を設定し、「OK」をクリックします。
  ・利用方法:ext4ジャーナリングファイルシステム
  ・パーティションの初期化:チェックする
  ・マウントポイント:/

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※今回はUSBメモリにインストールする都合上、SWAP領域を設定していません(設定しても問題ありません)。USBメモリは書き込み回数に制限があるためです。

ⅲ)ディスクへの変更を書き込む旨のメッセージが表示されるので「続ける」をクリックします。

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ⅳ)「ブートローダをインストールするデバイス」にUSBメモリのデバイス名(例./dev/sdc)を選択し、「Linuxをインストール先のプロパティ」と「ブートローダのインストール先のデバイス」が正しく設定されてることを確認した後、「インストール」をクリックします。

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9.「どこに住んでいますか?」画面で「Tokyo」を選択し、「続ける」をクリックします。

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10.「あなたの情報を入力してください」画面で適切な設定をし「続ける」をクリックします。

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11.インストールが開始されるので終了を待ちます。

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12.「インストールが完了しました」画面が表示されるので「試用を続ける」をクリックします。

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13.Ubuntu(試用版)に戻った後、保存したい画面コピーなどがあれば退避します。

14.画面右上にある「▼」-「Power Off/Log Out」-「Power Off」を選択し、「Power Off」画面から「Power Off」をクリックしてPCを停止します。

 

以上で Ubuntu 20.04 LTS をUSBメモリへインストールできました。

 

4.初回起動と初期設定について

LinuxをインストールするUSBメモリ」のみをPCに挿し、電源ONをすればインストールしたUbuntu 20.04 LTSが起動します。起動後は「日本語環境を使えるようにする」などの初期設定を実施する必要があります。

 

初期設定については、下記を参照してください。

takalinux.hatenablog.jp

 

では、今回はこれまで。